2013年1月12日土曜日

岩手県山田町のこと

 昨夜、岩手県山田町出身の亀田良子さんと電話で話した。彼女は埼玉に住んでいるが、「山田の子どもたちの夢を育む会」をつくり、頻繁に山田を訪問して、山田の現状を把握している人物だ。
 その彼女が語った現在の山田の様子は・・・・・

1)「リバーネット」というNPO団体が7億円の支援を受けて、山田の復興のために活動していたが、予算を使い果たして活動を中止してしまった。それにより、そのNPO団体で雇用されていた100人ほどの人の仕事がなくなり、さらに給料がもらえない人もいる。同NPOが昨年夏から営業していた公衆浴場も早々と中止になっている。雇用された人のなかには、ガレキ処理の仕事をしていた人も多くいたらしい。

2)山田の特産品の「しいたけ」は出荷停止状態で、放射能の影響が顕著である。またもう一つの特産品である「ほたて」の養殖は開始されたが、出荷まで3年かかるのでなかなか難しい状況となっている。漁業や農業で生計をたてている住民は、放射能について心配があっても、口に出すことができない状況である。

3)全般的に生活が厳しい状況は変わりなく、放射能問題やガレキ問題は日常生活の話題に上がることはないのが現状だが、唯一、いままで六ヶ所再処理工場の排水に含まれる放射能から三陸の海を守る活動をしていた人々だけが、放射能問題やガレキ問題に高い関心を寄せている。

4)山田の住民で年金をもらっている人はなんとか生活していけるが、他の人は仕事がなく生活が厳しい状況であることにかわりはない。仮設住宅で仕事がない人がまだまだたくさんいる。

5)震災ガレキが集められているところは、かつて「三陸博」をした会場で、広い公園となっていた場所だが、今回の震災で地盤沈下が激しい。ガレキは地盤沈下のかさ上げに使える資材であるとの認識が地元にある。

6)山田町の南にある大槌町にはガレキの選別施設がないので、大槌町で集積されたガレキは、まとめて山田の選別施設に持ち込まれて来る。つまり、大槌町のガレキが広域処理に出されるときは、山田の選別施設を経由して各地に送られる。

7)山田のガレキ置場にあったガレキの山は小さくなっている。ガレキの量が確実に少なくなっていることがわかる。

8)山田町役場に対して、放射能測定器の貸し出しを要望している。

 「山田の復興のために何が必要ですか」との質問に対して彼女は、「山田のものを買ってもらうことかな・・・、食べるもの以外にも作って売っているので・・・」と答えてくれた。彼女は1月18~20日に山田に行く予定だと言う。富山の私たちが山田の子どもたちの夢を共有できる日が来ることを願って、彼女の活動を応援していきたいと思った。

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